前回の記事では「脱ステ経験者の私が脱ステを勧めない4つの理由」について書きました。
ステロイドを突然止めることは体への負担も大きく、生活自体が困難になるので絶対にしてはいけません。
ただ、このままずるずるとステロイドを使い続けることも得策ではありません。
ステロイドには依存性・副作用がある上、使い続けると効かなくなる可能性もあるからです。
ではどうすればいいのかというと
ステロイドを徐々に減らしていくことが大切だと私は考えます。
今回の記事では
アトピー患者が知っておくべきステロイドの減らし方について書きます。
はじめに
ステロイドの使用法に関しては、様々な意見があります。
特に皮膚科では「ステロイドを減らしていく」というのは推奨される方法ではありません。
ただステロイドの長期使用も、皮膚科では推奨されていないんですよね。
しかしながら、完治の方法が見つかっていないアトピーにおいて唯一の対症療法であるステロイドの使用が長引くのはバカにだって分かります。
もしかしたら一生付き合っていくことになるかもしれない、アトピー。
その場合は、ステロイドとの付き合いも一生になる可能性が高いです。
ステロイドは素晴らしい薬ですが、万能薬ではありません。
ステロイドは、一生安全に塗り続けられる薬ではない。
皮膚科に行けば十中八九処方されるステロイドですが、アトピー患者は自分の病気をステロイドだけに頼るべきではありません。
つまりステロイドが身近な存在であるアトピー患者こそ、ステロイドを減らす方法も知っておくべきだと考えます。
ステロイドの減らし方
①ステロイドの乱用を止める
症状が酷い箇所に、ステロイドを分厚く塗りたくったりしていませんか?
塗り薬という手軽さゆえ、長く使っていると馴れてきて使用量も増えていきますが、まずはステロイドの正しい使い方を知りましょう。
ステロイドの使用量・回数
ステロイドを肌に塗る量は、多すぎてもいけないし少なすぎても効き目が悪くなります。
また、ステロイドを塗る回数も重要です。
私が使っていたステロイドには1日2~3回塗布と書いてありました。
ステロイドの使用量や回数については、皮膚科の指示に従ってください。
ステロイドの強さ
もしステロイドを塗りたくらないと効き目がない場合は、処方されるステロイドの強さが間違っています。
ステロイドの塗り薬には、5段階の強さがあります。
Strongest(最も強い)
Very Strong(非常に強い)
Strong(強い)
Medium(普通)
Weak(弱い)
使っているステロイドの名前をググってみると、ステロイドの強さが調べられます。
自分が使っているステロイドの強さが合っていないと感じたら、皮膚科に相談してみましょう。
②ステロイド以外のアトピー軽減法を試す
ステロイドを正しく使えるようになったら、ステロイドを塗りながらステロイド以外のアトピー軽減法を試していきます。
例えば:
アトピー患者は同時にハウスダストアレルギーを持っている場合もあるので、ハウスダストを出来る限り周りから取り除く努力をする。
、、、などです。
ちなみに私の場合、カーペットからフローリングの家に引っ越したらアトピーが少しマシになりました。
もし自分に合うアトピー軽減法が分からない/見つからない場合は、健康的な生活を心がけ、自分の体を強くするよう意識してみてください。
具体的には
- 規則正しい生活
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
- 運動
- ストレスを貯めない
などです。
これらは基本的なことですが、アトピーに負けない体の基礎を作るには非常に効果的です。
その他、私が試して効果のあったアトピー軽減法は以下の記事にまとめました。↓
私の場合ケチなので、お金のかかることは長く続きませんでした。
なので上の記事では主にお金のかからないアトピー軽減法について紹介しています。
③ステロイドを使う回数を減らす
ステロイドを正しく使いステロイド以外のアトピー軽減法を実践してから初めて、実際にステロイドを減らしていきます。
1回で塗る量はそのまま、1日に塗るステロイドの回数を減らします。
1日3回塗っている場合は、2回に。
1日2回塗っている場合は、1回に。
この時大切なのは
- ステロイド以外のアトピー軽減法を止めない事、そして
- 無理をしない事です。
ステロイド以外のアトピー軽減法を止めない
1日のステロイド使用回数を減らしてからも、②で行ったステロイド以外のアトピー軽減法を止めないでください。
これを止めてしまったら、ステロイドは絶対に減らすことは出来ません。
イメージとしては、ステロイドを減らした分を自分の自然治癒力でカバーする感じです。
無理はしない
もし1日に塗るステロイドの回数を減らすことが難しければ、まずは2日に1回、3日に1回だけステロイドを塗る回数を減らしてみてください。
それでも急激に肌が悪化してしまうようなら、絶対に無理はしないでください。
回数を減らすのが難しい場合は②に戻り、今一度自分に合うステロイド以外のアトピー軽減法を試していきましょう。
④ステロイドのランクを弱いものにする
1日のステロイド使用回数を減らすことに成功したら、次は使っているステロイドのランクを1つ弱いものにします。
Very Strong(非常に強い)のステロイドを使っている場合は、Strong(強い)のランクのステロイドを使います。
1つ弱いランクのステロイドを使う時は、皮膚科指示された用法・容量を守って塗り始めてください。
もし弱いランクのステロイドが合わなければ、以前使っていたステロイドに戻します。
⑤弱いランクのステロイドを使う回数を減らす
1ランク弱いステロイドの使用に慣れてきたら、また以前と同じように1日に使うステロイドの回数を減らします。
3回の場合は、2回に。
2回の場合は、1回に。
もしそれが上手く行ったら、ステロイドのランクを1つ弱いものに下げて、、、というように続けていきます。
ステロイドを減らしていく際に重要なこと
ステロイド以外のアトピー軽減法を止めない
ただステロイドの量を減らすだけでは、絶対に上手くいきません。
大切なのは自分の自然治癒力を高めていきながらステロイドの量を減らしていくこと。
ステロイド以外には体が本来持つ自然治癒力を信じるしか、今のところアトピーと付き合っていく方法はないと考えています。
肌の症状を無視しない
アトピー患者にもそれぞれ体質があります。
自分の肌の症状を無視してステロイドを減らさないよう、注意が必要です。
それだと、脱ステと同じ結果を産んでしまう。
もしステロイドを減らして肌の症状が悪化するようであれば、1ステップ戻ってそこからまたじっくり取り組んでいきます。
焦らない
ステロイドを減らしていくには、長い長い時間がかかります。
「焦らずにじっくり取り組む」というのも、大切なことです。
どうせ待っていたって、ステロイドを塗り続けたってアトピーは完治しないんだから。
それだったらじっくり腰を据えて、自分の肌、というか体全体の状態と向き合ってみましょう。
まとめ
今回の記事では
アトピー患者が知っておくべきステロイドの減らし方についてまとめました。
①まずはステロイドの乱用を止める
②ステロイド以外のアトピー軽減法を試す
③ステロイドを使う回数を減らす
④ステロイドのランクを弱いものにする
⑤弱いランクのステロイドを使う回数を減らす
実際にステロイドを減らすのは③の段階からです。①と②はその前準備。
特に②ステロイド以外のアトピー軽減法を試すのが1番重要ことです。
最後に
ステロイドを減らすための上記のステップには、特に終わりはありません。
ステロイドを完全に止められたらそれが1番ですが、アトピー患者がステロイドを止めるのは非常に困難なことです。
なので「ステロイドを完全に止めること」を目標にするべきではありません。
ステロイドを減らすのはあくまでステロイドに頼りすぎないよう、ステロイドの比率を減らしていくのが目標です。
長い記事になりましたが、読んでくださりありがとうございました。
おわり!